ホテルにおける新しいビュッフェスタイルへの取り組みをご紹介
美味しい食事は旅行の楽しみの大きな一つです。コロナ禍でビュッフェスタイルが敬遠され、新しいビュッフェスタイルが求められています。不特定多数のお客様がトングを手に取るスタイルが、感染経路となるのではないかと危険性を指摘されているためです。また、美味しい料理の前に人だかりができたり、SNSにアップしようと撮影する人が立ち止まり、3密になる心配があるからです。ビュッフェスタイルへの新しい試みを紹介します。
宿泊者のビュッフェスタイルへの期待
J.D.パワージャパンの移動自粛解除直前のインターネット調査によると、ホテルサービスで利用したいものとして、「ビュッフェ以外のレストラン」が90%、「ホテル内のレストランが提供するテイクアウト」が78%、「ビュッフェ形式の朝食」が70%、「朝食以外のビュッフェ」が69%となっています。ビュッフェ形式について言えば、利用したくないがでも利用したい気持ちがあると、矛盾が見え隠れしています。お客様に人気が根強いビュッフェスタイルを、いかに安心して楽しんでいただけるかが、鍵と言えます。
参考
https://www.travelvoice.jp/20200703-146518
星野リゾートの新ノーマルビュッフェ
星野リゾートでは、基本的な感染拡大防止策をとったうえで、新しい試みに取り組んでいます。
基本的な取組み
・入店時間の分散化、入店時の手指のアルコール消毒、
・検温済みのホテル宿泊者のみの利用、テーブル席の約2mの間隔確保、
・食器類の高温・除菌洗浄など
新しい取り組み
・お客様全員にマスクと手袋を配布します。
・何種類もの料理に、飛沫防止カバーをかけます。
・スタッフが案内し、混雑の回避に努めます。
・トング、テーブルや椅子に抗ウィルスコーティングをします。
なお、抗ウィルスコーティングは空港で使われていたもので、一度塗布すると3年間は有効です。
参考
その他の取り組み
品川プリンスホテルでは、オープンキッチンで仕上げた料理を、スタッフが飲茶スタイルのように、ゲストの席までお届けする「ワゴンサービス形式」を提供しています。403席の客席を270席に削減し、広げた通路をワゴンが周回します。お客様が取りに行くのではなく、おかわりをお持ちするというスタイルです。
また、JRハウステンボスホテルオークラでは、人数制限を行った上で、美味しい何種類もの料理を目で楽しんでもらい、お客様が取るのではなく、スタッフが取り分けるスタイルを取り入れています。
席数の減少やスタッフの業務増大など、利益率が厳しい面もあります。しかし、旅行の大きな楽しみの一つである、人気のビュッフェスタイルを、感染のリスクへの心配を少しでも払拭し、安心して楽しんでいただけるよう新しい取り組みが求められています。